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コラム/近況報告
掲載日: 建物・建築

タイトル事例紹介(5) ◆フランチャイズ住宅の建築紛争①◆

 フランチャイズ(FC)といえば、コンビニエンスストアを代表格とする小売業やサービス業のイメージが強いところですが、建築紛争事件を多く手掛けていると、住宅商品のFC展開もかなりあるということに気がつきます。
 FC本部企業(フランチャイザー)が、独自の意匠や機能性を売りとする住宅商品を開発し、加盟店(フランチャイジーである提携工務店)へのノウハウ提供や技術指導を通じて市場に供給するという事業形態ですが、消費者としてFC住宅の入手や建築を検討する際は、注意すべきポイントがあります。

◆契約の相手方はあくまで加盟工務店
 FC住宅の工事請負契約書や設計図書には、本部企業の屋号・ブランド名・ロゴなどが目立つ位置に記載されていたりします。しかし、一般的なFC形態の場合、消費者と直接契約する工事請負人はあくまで加盟工務店であり、本部企業ではありません。
 消費者としてFC住宅を選択する動機は、本部企業のブランドや商品コンセプトの魅力であり、加盟工務店の規模や資金力、技術力に着目しているわけではないでしょう。加盟工務店のこうした要素は、会社によってばらつきが大きいのが実情です。竣工した建物が欠陥住宅だったような場合、加盟工務店(大概が小規模事業者で、大工職人1名で法人成りしたような会社もあります)にしか契約責任を追及できないというのは、なかなかのリスクではないでしょうか。
 FC本部企業との間で、加盟工務店の契約責任について連帯保証してもらう契約を交わすことなども考えられますが、かなりハードルが高いと思われます。

◆独自仕様の技術的妥当性は?
 FC事業が成立するのは、商品やサービスの独自性ゆえですが、住宅商品の場合、その独自仕様が、法令などの技術基準に違反していたり、施工に特別の配慮をしないと特定の欠陥を生じやすいものだったりします。
 そうした例はFC住宅に限らず、一般の住宅メーカーが独自仕様を採用している場合にもみられますが、仕様の独自性が高いほどに起こりやすい問題といえます。
 住宅メーカーの独自仕様は、きちんとした技術的裏付けがあって開発されているのだろうと思いきや、設計思想や性能検証が案外いい加減で驚かされることがあります。構造方法などの大臣認定ですらブラックボックスな面があるわけですから、公的な認定を得ているわけでもない住宅メーカー独自仕様の技術的な裏付けや検証が不十分というのは、さもありなんという話かもしれません(建築基準法の規制に抵触しない限り、基本的には、独自仕様について公的な何らかの認定を得る必要もありません。後述の通り、住宅瑕疵担保責任保険の関係で、保険基準に適合しない独自仕様について保険法人の確認を要する場合はありますが、法人によって審査の妥当性はまちまちという印象です)。
 消費者としてFC住宅を選択肢に入れる場合、その独自仕様に何らか問題がないかをチェックできると良いのですが、関連分野に詳しい専門家の助力がないと、なかなか難しいというのが現実かと思います。

(続く)

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