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コラム/近況報告
掲載日: その他

タイトル熊本地震による被災建物・緊急電話相談会のお知らせ(4月23日・欠陥住宅ふくおかネット主催)

 熊本地震で被災された皆様には、心よりお見舞い申し上げます。
 欠陥住宅問題に取り組んでいる全国の弁護士・建築士は、今回の地震による建物の損壊・倒壊の現状と、その原因について大きな関心を寄せています。
 一部ネット記事によれば、地震で倒壊・損壊した建物には、所定の耐震性能を備えていなかったものが相当数含まれている可能性があるようです。しかし、建物を解体撤去してしまった後では、被災の原因究明が不可能となってしまいます。
 そこで、私が所属する欠陥住宅ふくおかネットでは、下記の通り、熊本地震によって所有建物・居住建物が被災した方々を対象に、主に建物の現状記録化に関するアドバイスを目的として無料電話相談会を行うこととしました。
 未だ被災地では食糧やライフラインの確保が困難な状況が続いているようです。そうした中でやや時期尚早ではありますが、今後被災建物の解体撤去が急ピッチで進んでいくと思われますので、早期の情報提供という点でお役に立つことができればと考えています。対象の方はお気軽にお電話ください。

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欠陥住宅ふくおかネット主催
「熊本地震による被災建物・緊急電話相談会」
~家屋の解体・撤去前にやっておかなければならないこと~

                        欠陥住宅ふくおかネット

代表幹事  山上知裕(弁護士)
幹  事  簑原信樹(建築士)

 謹んで震災のお見舞いを申し上げます
 このたびの地震により被災された皆様に、心からお見舞い申し上げます

 今回の地震では、熊本県を中心とする広範囲の地域で、多数の家屋・建物が倒壊・損壊し、甚大な被害が発生しました。

 既に日経アーキテクチャーなど建築雑誌のネット記事で指摘されているとおり、今回の地震によって倒壊・損壊した建物のうち、相当数に、設計ミスや手抜き工事が認められるようです。報道やSNSで発信された建物の倒壊状況からも、もともと欠陥があったのではないかと疑われる事例が多数認められます。

 問題のない建物が損壊したのであれば、これは純粋な天災です。しかし、欠陥のある建物が損壊し、人命を奪ったり、怪我を負わせたり、財産を失わせたりしたのだとすれば、これは天災ではなく、人災と言わなければなりません。つまり、大きな地震が来たら倒れるような欠陥建物は、そもそも危険をはらんでいたのであり、今回の地震でその危険が顕在化したにすぎないともいえるのです。

 阪神淡路大震災や東日本大震災でも、やはり欠陥が疑われる建物が倒壊した例が多数あります。しかし、倒壊建物を解体・撤去してしまうと、原因の究明は不可能となってしまいます。実際、阪神淡路大震災や東日本大震災の被災者のなかにも、建物の欠陥を疑いながらも解体・撤去を進めてしまい、あとになって原因究明しようにも、残っているのは更地だけという状態で、原因究明をあきらめざるを得なかった方がかなりいらっしゃったようです。

 これから、被災地では急ピッチで被災建物の解体・撤去が進むものと思いますが、可能な限り、解体撤去前に建物の状況を記録化し、その後の原因究明に役立てていただきたいと考えています。

 今回の緊急電話相談会では、主として、建築士が電話対応し、建物の種類ごとの記録化のポイントや、残しておくべき資料・図面について、無料でアドバイスをいたします。

 また、ご希望があれば、欠陥住宅問題に長年携わってきた建築士が、ボランティアで現地に赴き、解体・撤去前の建物の調査を行うことも計画しております。

 欠陥住宅ふくおかネットは、欠陥住宅問題に取り組む有志の弁護士と建築士の団体です。これまで、両専門家が協力しあい、戸建て・マンションを問わず、欠陥住宅の撲滅を目標に活動してきました。福岡西方沖地震の際も、被害を受けた福岡市内の新築マンションを調査し、被害は手抜き工事によるものであったことを突き止めました。

 原因究明は、その建物によって被災した方のためだけではありません。どうしてこのような被害が生じたのかを検証することは、今後の防災の観点からも重要なことだと考えています。

            記

 ・日時:2016年4月23日(土)午前11時から午後4時まで

 ・受付電話:092-721-1208 

 ・相談料:無料

 ・対象者:熊本地震によって所有建物・居住建物が被災した方

(熊本県内に限らず、どの地域の方でもご相談いただけます)

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