前回見学時は、日給住宅を出て端島神社(1号棟)に上がりましたが、今回はお隣の2号棟に向かいました。
初めて入った2号棟。
2号棟から臨む日給住宅屋上。屋上緑化は健在(?)です。
2号棟北から見る端島神社。
南に隣接する3号棟。
3号棟の中へ。めっちゃオーシャンビュー!
3号棟の屋上、うっかり端の方を歩いてしまい速攻で注意を受けました。
南からは総合事務所や灯台が臨めます。
3号棟を降り、灯台方面へ。左手の建物は共同浴場のようです。
灯台は非常に綺麗なのですが、塗装など更新しているのでしょうか。
南の眼下に30号棟。屋内のスラブはほぼ全面落ちているようなのに、屋上スラブの欠損は一部にとどまっているのが不思議といえば不思議です。
上から見下ろす島内東方面。昨年に比べて通路が整備されているのがよくわかります。
いよいよ30号棟が目前に!
こうして見ると、建物東面の柱梁外面(マリオン部分)はけっこう綺麗なところが多いです。
しかし内側はボロボロで、やはり遠くないうちに倒壊しそうです。
一部、スラブが残っているところもありました。
30号棟の東側を通り過ぎ、事務所建物群付近の地下トンネルを抜けて第1見学広場に出ました。
この地下トンネルを通るのも初です。
見学通路を南に進んで第2見学広場へ。
世界遺産である第3竪坑捲座のレンガ壁補修工事が行われています。
さらに見学通路を進み、30号棟南側に出ました。
貯炭ベルトコンベアーは北側の方が傷んでいるのに対し、30号棟は南側中央部が激しく崩壊しています。
こちら側を見ると、まだ建っているのが不思議に思えます。
ここから先、初めての西側護岸際を通るルートです。
初めて目にする30号棟の西面。
灯台から、屋上スラブの西側が落ちているのが見えた箇所です。
30号棟の北西に隣接する細長い31号棟(地下共同浴場・郵便局・鉱員社宅)。
31号棟の北に隣接する映画館(50号棟)エントランス部分だそうです。
モザイクタイル張りが割と綺麗に残っています。何かすごい!
柱の仕上(タイル)はけっこう残っているのに、やはり天井スラブや梁の劣化はなかなかです。
柱周りで調査をしている学生さんは、大学、所属研究室、氏名、血液型が書かれた名札をつけていました。この島の建造物調査は、リスクを伴うものなのだと改めて気づかされます。
元々、こんな感じだったんですね。
映画館の北側解体跡。
映画館のトイレ跡だそうです。
31号館の内部を通って見学通路の方へ戻ります。
梁がまだ露筋していない分、コンクリートがいつ落ちてくるかわからず怖い!
最終集合場所の北側広場に再び向かいました。今度は東側護岸際を通り、資材倉庫の壁が激しく露筋しているのを目にしました。
前回の見学時(2021年)は、前々回見学時(2019年)からの建物群劣化進行具合に衝撃を受けましたが、今回は前回から1年しか経過していないせいか、それほど劣化が進んだとは感じませんでした。
が、すでに、30号棟をはじめとしていつどうなってもおかしくない状態だといえそうです。
長崎市としては、優先順位を設けて軍艦島遺構の維持補強を図っていくそうで、最優先は護岸補強工事だということです(確かに、護岸が壊れたら島がなくなってしまいます)。
建物群の保存は、方法的にも費用面でも劣化の進行を遅らせる努力しかできないという現実があるように思いますが、貴重な研究資源としての価値が少しでも長く維持されるようにと願うばかりです。
今回も貴重な見学の機会をくださった長崎市、日本仕上学会の各位に感謝申し上げます。