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コラム/近況報告
掲載日: 建物・建築

タイトル軍艦島建物群見学記(1)

 先月28日、建築士さんのご紹介で、日本建築仕上学会主催の「第三回長崎県軍艦島調査見学会」(協賛・建物診断設計事業協同組合)に参加させていただきました。
 明治から昭和にかけて炭鉱業が盛んだった軍艦島(正式名称「端島」)は、2015年に「明治日本の産業革命遺産」のひとつとして、世界遺産に登録されたのが記憶に新しいところです。
 無人島になって数十年経つ現在、島内の建物群は、文化財・観光資源としての価値を保つため、現状を維持した保存方法が検討されています。これらの建物は、過酷な環境(潮風、高波)に曝されている鉄筋コンクリート構造物の劣化状態に関する貴重な研究資源でもあります。
 今回は、軍艦島研究の第一人者である大学教授のご案内で、長崎市の特別許可の下、島内の建物内部を見学させていただきました。

東側から見た軍艦島

西側から見た軍艦島

9月の台風で島の桟橋が壊れ、現在は観光客等の上陸ができなくなっています。

 島の東側から上陸後、貯炭ベルトコンベアー~小中学校の前を抜け、
まず島内北の広場を目指しました。

外部に露出している鉄筋コンクリート構造物は、
さすがに鉄筋の爆裂とコンクリートの剥落が目立ちます。

島内北の広場

教職員宿舎の柱も全面的に露筋しています。

65号棟は3期の工事で造られており、
最も築古の北棟は終戦直後(1945年)の竣工だそうです。

広場には、様々な条件の鉄筋コンクリート造躯体
(電気的に鉄筋を腐食させたものなど)の
劣化状況を調べるための試験体が置かれています。

65号棟北棟と病院の間を西に抜けたところに67号棟があります。
各階から反対側の棟に渡れるように造られているX階段が特長的です。

67号棟のX階段側(東面)は、65号棟の中庭と向き合っている
(潮風や海水が直接吹き付けない)ためか、
壁面の劣化状況は他の建物よりましに見えます。
それでも、「X」の下にたたずんでいると、
露筋部付近のコンクリート片が降ってきそうで怖いです。

中庭側から見た65号棟。
左手が北棟(1945年築)、正面が東棟(1949年築)、右手が南棟(1958年築)です。
築年数による劣化の違いがはっきりと感じられます。

65号棟北棟から建物内に入りました。

建物に立ち入る際、梁の下で立ち止まってはいけないという注意を受けました。
下端の横主筋とあばら筋が露出しています。

(続く)

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