窓交換のため、開口部廻りの防水紙を剥いだ状態です。
窓台の下部分は内壁の石膏ボードや断熱材が撤去されているので、間柱の間から室内が見えています。
(※ハウスメーカー名が印刷された防水紙が使われているので、写真を一部加工しています)
最上部の窓を撤去した後の窓台です。
サッシの方立があった部分に、漏水の濃い痕跡があります。
防水紙を剥いでみると、窓台自体の端部にも漏水痕が濃く残っていました。
赤チョークは、漏水ルートをなぞったものです。
中間部の窓下の胴差には、ところどころ黒いシミができていました。
これは、釘や、防水紙を留め付けていたタッカーなどが水に濡れたことで出た錆び汁でした。
漏水範囲調査のために建物前面付近の天井ボードが撤去されていたので、窓を撤去した後は天井内部の状態もある程度見えました。
この建物は省令準耐火という屋内防火仕様で、天井の石膏ボードを貫通して設置されるダウンライトの背面は防火被覆(断熱材などの不燃材で覆うこと)しなければならないのですが、ダウンライトに防火被覆がされておらず、周辺に隙間があることが確認できます。
外壁がスケルトンになっているので、場所によっては筋交い金物の取付状態も直接確認できました。
これは問題ありません。
サッシに方立のない新しい窓の取付です。
窓廻りの防水紙を剥いでいるので、サイディング解体範囲に防水紙を張り増ししています。
ただ、防水紙は外壁通気のために透湿性のあるものを使用しているので、防水紙の重ね張りというのは透湿性の低下につながることから好ましくないようです。
この日の工程はここまでで、サイディングの原状回復は後日となっていました。
なお、窓メーカーの方々が、窓を取り外した状態でもサッシに散水をして漏水を確認していました。やはり、方立部分が浸水箇所ということで間違いないようです。
散水試験の後、メーカーの方々がサッシ枠を糸鋸で切断しており、サッシ枠の断面を見ることができました。
このサッシ断面こそ、図面で見てもイメージがつかめずにチンプンカンプンだったのですが、本当にああいう断面図通りになっているのだなぁと何とはなしに感動してしまいました。
今回改めて、現場立会というのは、写真や動画を見てもピンとこない施工状況が良く理解できるものだなあと本当に実感しました。
立会を快諾いただいた建物所有者の方と建築士さんに、改めて感謝申し上げます。