木造軸組工事にあたって欠かせないのが、木材端部(軸組の継手や仕口)の加工です。
昔は大工さんが手刻みで行っており、それが工期のかなりの部分を占めていたわけですが、現在では工場でプレカットされた木材が現場に搬入されます。
もう4か月近く前になりますが、新建福岡のイベントで、うきは市の木材プレカット工場(堤木材さん)を見学させていただきました。
堤木材は、以前は原木の製材のみを手掛けており、5年前にプレカットを内製化したとのことです。
内製化する前は、物件に使用する製材が一式揃ってからプレカット業者に持ち込んでいたのに対し、現在では、製材したものを順次プレカットできるため、製品出荷までの期間が短縮できたということです。
工務店や他の製材所から、プレカットだけを受注されてもいるそうです。
最初に、皮むきした原木を製材(木取り)する工程を見せていただきました。
皮むき前後の原木は、保管場所にまとめて置かれていました。
剥いた皮は木材乾燥機の燃料にして、灰は肥料になるので近所の農家さんにあげているそうです。
なんともエコですね。
原木同様、製材もまとめて保管されています。
製材を積む専用機械があるというのは意外でした。
諸々の設備投資額がものすごい額だそうですが、さもありなんという感じです。
製材の乾燥機も見学できました。
工場内に、挽板を単層に加工した製品がありました。
これで、CLT(直交集成板)やLVL(単板積層材)も作れそうですが、それらに加工するには専用設備が必要だということで、県外の業者に外注しているそうです。
プレカット加工ゾーンです。
堤木材で使っている加工機は、横架材と柱の兼用だそうです。
大手業者の工場では、横架材、柱それぞれの専用加工機があって大量生産しているんだとか。
案内してくださった社長さんに、「木材は(梁は背を上、大引は腹を上にして使うので)向きを間違えないようにプレカットの機械に流すんですか」とお訊きしたところ、「もちろんそのようにしている」とのことでした。
プレカット図を作っている事務所内です。
プレカット図の作成に建築士資格は要りませんが(軸組の継手位置などは経験的に設定するとのこと)、建築士が1名在籍されているとのことです。
最後に、社長さんから、堤木材の業務について詳しい説明をいただきました。
「製材所は分業が多いが(構造材だけ、板だけなど)、堤木材では昔ながらの色々な材を作っている」「現在、福岡のJAS認定工場(機械等級区分)は堤木材だけ」「JAS認定維持のため、2ヶ月に1度の外部検査があり、年に1度は東京の検査にも出さないといけないので、年間50~60万円くらいかかる」「製材の乾燥は外側の加熱だけでは厳しいので、高周波と蒸気の複合機でやっている(加えて、減圧機能付きの機械はかなり高い)」といった業界情報もうかがうことができました。
事件処理をするなかで、木造住宅のプレカット図は日常的に目にしていますが、プレカット工場の内部見学という貴重な機会に恵まれるとは思いませんでした。
堤木材の皆様と、新建福岡で企画を立ててくださった方に感謝です。




























